「Capa in Color」

以前のエントリーで紹介した「ロバート・キャパ写真展 CAPA IN COLOR」を観に
神戸は元町の大丸に行ってきました。
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KODACHROMEの発色はものすごくて、
その鮮やかな色彩が、とても第二次世界大戦中の写真とは思えないリアリティーを醸し出していました。
空の青さとかハンパじゃない。
「つい最近撮ったんじゃないの?」という存在感。
写真に写っている人の大部分はきっと、とうの昔にこの世に別れを告げてしまった人達だと思うのですが、
その画面の中ではその時の一瞬のまま固定化され、永遠にその表情のままのような錯覚を憶えます。


モノクローム写真であれば、それは対象化して「昔のモノ」というフィルターを通して見やすいのですが、
人々の肌の血色まで記録され伝わってしまうカラー写真では、
その写真に内包された時間を無意識的に彼方に追いやることはとても難しい。
それはカラー写真がやはり「最近開発されたモノ」と無意識的に思い込んでいるからなのでしょう。
でもそんなことはないんですね。


色情報の持つ迫力・重要性を改めて認識させられた展覧会でした。


P.S.1
当時のKODACHROMEの感度はISO10だって!!
キャパはおそらく手持ちで撮影していると思うので、
大変だったんだろうな〜。
ピンぼけの写真も結構あったのは、手ブレしているのかも。
妙に被写界深度が浅い写真が多いのも、
シャッタースピードを稼ぐために明るいレンズで絞り開放付近で撮ってるんだろうな。
でもそのボケ味が逆に良い雰囲気を醸し出すのに一役買ってます。


P.S.2
展示されている写真はヒューレット・パッカードの大判インクジェットプリンタで出力されたモノなのですが、
かなり良い品質でした。
さすが展示に使うというGoサインが出ただけのことはあります。
保存性もかなりイイらしい。
どもこの辺の技術は日進月歩(もっと速い?)だから、今はさらに高い性能のモノが発売されているのかな?
すごいなぁ…。
スキャニングとレタッチさえしっかりやれば(ただしそれが一番大変なんだけど…)、
プリンタ出力でも全く問題ないですね。